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2006年10月12日 (木)

借金と生命保険

最近、消費者金融が融資の際に借り手に生命保険をかけることが、問題視されている。
この保険は「消費者信用団体生命保険」といい、被保険者(保障の対象となる人)が死亡するか高度障害になった場合に保険金が支払われ、それで残りの借金が返済されるというしくみになっている。

「人の命を担保にしている」という批判もあるようだが、これはまったく見当違いの批判である。
もし借り手がこの保険に加入していなければ、死亡したあと、その相続人が資産とともに借金も相続することになる。この保険から保険金が支払われ、残債が返済されるから、相続人は亡くなった人の借金を返済せずに済むのである。

最近の批判を受け、アコムや武富士、プロミスなどが、借り手に生命保険をかけるのを廃止することを表明している。
「消費者信用団体生命保険」の保険料は、消費者金融側が支払っている。
受け取った保険金と配当金の総額は、支払った保険料の総額を下回っているそうだ。
つまり、持ち出し状態なのに、批判を受けるのなら、やめたほうがいいという判断だろう。

借り手に生命保険をかけるのをやめると、借り手が死亡したら、相続人が借金を相続するわけだが、大手の消費者金融は相続人から借金の取り立てはしないということを表明しているそうである。
だが、そのようなことが、本当に行われるのだろうか。債権を他社に売り、買った会社が相続人から債権を回収するということは、考えられないだろうか。

もし、相続人が借金を相続したくなければ、「相続放棄」という方法がある。ただし、借金だけを相続放棄することはできず、資産も一緒に相続放棄することになる。
亡くなった人の資産は家族で住んでいる家くらいしかなく、資産より借金のほうが多ければ、相続放棄したほうがよいと思うが、そうすると遺族(相続人)は、住んでいる家を失うことになる。
相続放棄の他に、「限定承認」という方法もある。
限定承認とは、相続人が受け継いだ資産の範囲内で借金を返済し、資産を超える借金については返済責任を負わないという方法である。

なお、お金の借り手に生命保険をかけるのは、消費者金融だけではない。
銀行で住宅ローンを利用する場合も、借り手は「団体信用生命保険」に加入しなければならない。それも、保険料は借り手負担である。
「団体信用生命保険」も、被保険者が死亡したり高度障害となった場合、保険金が支払われ、残債が返済される。
銀行の住宅ローンは、「人の命と不動産を担保にしている」
のである。

マスメディアは、消費者金融が借り手に保険をかけることを批判的に取り上げているが、銀行で住宅ローンを利用するときに借り手が入る生命保険の是非には、まったく触れもしない。
消費者金融が借り手に「死んで借金を返せ!」と脅迫して、借り手を死に至らしめている事実があるのなら、それは批判して当然だが、「借り手に生命保険をかけるという行為」を批判しているのであれば、それは筋違いである。

マスメディアの批判に対し、消費者金融が借り手に生命保険をかけるのをやめることにより、借り手の相続人が大変な状況になるのではないかと、私は憂慮している。

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