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2008年6月 9日 (月)

プロの仕事

先月、パク・シニャンのファンミーティングに行き、イベントでも「プロの仕事」を見せられてから、ずっと自問自答していた。
私は、パク・シニャンのような「プロの仕事」をしているのかと。
俳優としてキャリアも演技力もあり、それでももっといい演技をしたいと努力する姿勢。
今、私はそんな姿勢で仕事をしているのだろうか。

1992年から8年間、私は毎日新聞で読者の相談に答える「診断・あなたの生活設計」というコーナーで、連載をしていた。
回答者は私を含めて5人。毎週日曜日の掲載だったので、私が回答するのは月1回くらいだった。

毎日新聞で連載をすることになったきっかけは、金融自由化について、毎日新聞の取材を受けたことだった。
金融自由化について一問一答というような形式で、スペースも大きく、顔写真付きで掲載された。
その記事が新聞に掲載されてからすぐ、このコーナーの担当者から電話がかかってきて、回答メンバーに入ってもらえないかと言われた。

承諾してから他の回答者を知ったが、私以外はすべて有名な人だった。
私は、こんな人たちの中に入っていいのだろうか・・・と思った。

金融や保険ジャンルで読者の質問に答えるコーナーだったが、あるとき、担当者から「古鉄さんにファンレターが届いているから、転送します」と言われた。
届いた手紙を読むと、回答者の中で、私の回答がいちばんわかりやすい。もし自分の質問を取り上げてもらえるのなら、私に回答して欲しいと。
そして、私のファンだとも書かれていた。
私は、うれしかった・・・

このコーナーでは、読者からの実際の質問に答えるのだが、私はその質問の答えをすぐ書くのではなく、「このようなケースでは、こういうふうに考えていくため、答えはこうなる」という書き方をした。
「魚が欲しい」という人に、魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えるのである。
新聞の相談コーナーの回答は、質問した人だけに答えるものではない。
読んでいる多くの人たちも、自分の場合はどうしたらいいだろうかと、一緒に考えられるように書くものだと、私は思っている。

私にとって、いちばんの褒め言葉は、「わかりやすい」と言われることである。
難しそうな内容を、専門用語を使って、そこそこ知識がある人に話したり書いたりすることほど、簡単なことはない。
それについて特に知識がない人に、わかりやすい言葉を使って、わかりやすく伝えるというのことのほうが難しい。
金融や保険は、一般的には、わかりにくいと思われている。
それを、誤解がないように、いかにわかりやすく伝えるかが、重要だと思っている。

私が書いているのは、学術論文でも専門書でもない。
ジャンルでいえば「実用書」である。
読んだ人が理解できて、そして行動に移せるのか。
行動にまで移せてなんぼの文章である。

私が最初に書いた本「かしこい生命保険の選び方」は、東販と日販調べによると、発売2週目で新書・ノンフィクションジャンルのベストセラーランキングで、6位と8位に入った。
八重洲ブックセンターや虎ノ門書房などのショーウィンドーでは、私の顔写真付きの看板が出ていた。
近所の書店でも、顔写真付きのポスターが貼ってあった。
この本は、「わかりやすい」と言われた。「はじめて保険のことがよくわかった」とも。

うれしかったのは、50代の女性だが、1人で何冊もこの本を買ってくれた人が、私が知っているだけでも数人いたこと。
「私はもう終わるけど、子どもたちにぜひこの本を読ませたい」と、自分の分のほか、子どもの人数分買ってくれたのである。
「この本に出会えて、幸せだった」と言ってくれた人もいた。

私のファンと言ってくれた人たちの想いに、いま、私は応えているだろうか・・・
そんなことを考えていたら、涙があふれてきた。

先週の月曜日、私は12日のセミナーのレジメを作っていた。
30代女性対象に、公的年金について話すのだが、時間は45分間。
短時間なので、公的年金の基礎の基礎しか話せないと思うが、今は実感がなくても、あとで、「あの時、話を聞いていて、本当によかった」と思われるような内容も入れようと思った。
「たくさんのことを聞いたけど、あまり覚えていない」というよりは、「公的年金がどうなっているのか、はじめてよくわかった」と思われるためには、どんな内容にするか。
そんなことを考えながら、内容を絞り込み、レジメを作った。

今日は、オファーが来ていた単行本の構成を作り、編集者にメールで送った。
ここ数か月、気にはなっていたが、今日、読者に伝えたいものが明確になった。

まだ今度出す本の原稿も書き終わっていないが、気長に待っていてくれる編集者に、今更ながら、申し訳ない気持ちになった。
本を出したくても自費出版でなければ出せない人が多いのに、最大手の出版社が出してくれるというのに・・・
もちろん、自費出版と違い、本を出すにあたって私の支出はまったくなく、私は出版社から印税をもらうだけである。

パク・シニャンのファンミーティングで、彼の「プロの仕事」を垣間見たことにより、私の中に、忘れていたものがよみがえってきた。




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コメント

古鉄さん、こんにちは

私が誰かのファンになるのは、到底私にはできないような努力を感じた時だと思います。古鉄さんにも本当に多方面での努力を感じています。新刊の発売楽しみにしております!
ジフニの最近のファンミ等には地道な努力があまり感じられなさそうですね。頑張ってほしいなぁ~

投稿: ike | 2008年6月11日 (水) 21時25分

古鉄さん。はじめまして。
最近ジフン君を知り、こちらにお邪魔することになりました。古鉄さんの文章は本当にわかりやすく、ポイントになる部分も頷くことも多く、またスッキリ!したりも・・・^^;
しかも先日のブログでシニャンさんのファンでもある!とのことがわかり驚きました。(私もファンのため)
案外多いのかもしれませんね(^_^;)
ファンミには行けませんでしたが”魅せるという仕事”の素晴しさを感じました。(ファンミブログ読み応えありました!ありがとうございます!)
また私も自分を振り返る機会にもなりました。

きっかけは韓流でしたが古鉄さんの文章が好きです。
今後もお邪魔させてください。
よろしくお願いします。


投稿: ren | 2008年6月11日 (水) 22時25分

「プロの仕事」…。タイトルを見ただけで、
もう既に反省モード(苦笑)。

プロとして、モチベーションを向上させる
ためには、本人の努力とそれに対する周り
からの評価なんでしょうね。。。

あっ、でも、職場環境も大切ですよね、
古鉄さん(笑)。

投稿: ポチ | 2008年6月12日 (木) 01時45分

ikeさん

こんにちは。
本の原稿、気合いを入れて、がんばります!
ジフニには、ヨベクの商法に流されずに、もっと真剣に努力して欲しいです。

投稿: 古鉄恵美子 | 2008年6月13日 (金) 23時44分

renさん

はじめまして。
文章が好きだと言っていただけると、うれしいです。
もう少ししたら、もっとスッキリする(笑)ネタが登場するかも・・・
乞うご期待!

投稿: 古鉄恵美子 | 2008年6月13日 (金) 23時46分

ポチさん

努力はもちろん大事ですが、周りの評価は、大きなモチベーションになると思います。
組織の場合は、上司がどんな人かにもよると思います。もちろん、職場環境もです(笑)。

投稿: 古鉄恵美子 | 2008年6月13日 (金) 23時49分

わたしが古鉄さんのブログが気になるのは、韓流ファンだからだけではなく、やはり文章が読みやすく、わかりやすい、共感しやすいからです。
ほかにもそう感じていらっしゃる方がたくさんいるのですね。
とっても納得しました。
うれしいです。
思ったことを素直な気持ちで書く・・・コメントもそんなところを見習いたいなあ・・・

投稿: kababitti | 2008年6月18日 (水) 02時23分

kababittiさん

ありがとう。
昨年3月の「チュ・ジフン羽田空港到着」を読んだ編集者たちは、「臨場感があふれていて、いい文章です」と褒めてくれたけど、最近は、いつも読んでくれている人が「わかりやすい」と書いてくれるので、うれしいです。

この調子で、単行本の原稿もがんばろう!

投稿: 古鉄恵美子 | 2008年6月18日 (水) 23時57分

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