神が降りてこない日々
「木から仏像を彫るのではなく、木の中にいる仏様の姿を現す」のだと、ある仏師の話を聞いたことがある。
今の私の状態はこれにたとえるなら、「木の中にいる仏様がよく見えない」状態である。
今書いている本の第1章では、私の「哲学」を語ることになっている。
書いたものを担当編集者に送ると、「わかりやすいけれど、きれいで知的な文章」と言われた。
ならば「いいじゃない」と思うかもしれない。
だが、「わかりやすくて、きれいで知的な文章」ではなく「わかりやすい『けれど』」なのである。
そのため、書き直すように言われた。
だが、「きれいで知的な文章」ではなく、どのように書くのか、なかなかイメージがつかめないのである。
雑誌や新聞の原稿を書くときは、その雑誌や新聞などに合わせて、文体や切り口を変えて書くので、単に文体を変えるのであれば、慣れている。
だが、今回のは、そういう次元ではない。
以前は、「蛮幽鬼」のOSTをBGMにして原稿を書いていると、神が降りてきたかのように、サクサクと原稿が書けた。
だが、今回は、「蛮幽鬼」のOSTでも、なかなか神は降りてこない感じなのだ。
ステーキのむちゃ食いをしたり、いつもはスイーツをあまり食べないのに、わざわざ買ってきて食べたり、重曹とクエン酸とアクリルたわしを駆使して一生懸命キッチンの掃除をしたり、要するにジタバタしているのだが、神は降りてくれない。
担当編集者は、「私たち(編集者と私)は『本』を作ろうとしているんじゃありません。『売れる本』を作ろうとしているんです」という。
単に本を書くのは、それほど難しいことではない。
だが、この出版不況の中で、大ヒットするような本を書くのは、大変なのである。
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